40代でのリストラは怖い

リストラ問題

90年代前半のバブル崩壊以降日本経済は長期的な低迷を迎え、それまで日本企業が伝統的に培ってきた家族的な経営の強みを維持できなくなりました。つまり終身雇用制度や年功序列制度などかつての日本企業を形作ってきた文化の崩壊です。こうした企業の従業員に対する雇用姿勢の変化の結果生じたことが、中高年以上の従業員へのリストラの横行です。かつてはほとんど聞くことがなかったリストラは90年代の後半から多くの会社で耳にする様になり経営不振の脱却や、場合によっては経営体質改善のために赤字企業以外でも行われる様になっていってしまったのです。

40代のリストラはきつい

もちろん何歳になってもリストラをされることはきついですが、40代でリストラをされることが一番大変と言っても差し支えないかもしれません。転職的な視点で言えば、20代でリストラをされた場合まだまだ若さとポテンシャル、それに体力がありますので過酷な転職活動も戦え抜けますし、採用時も好意的に評価されます。また30代の場合は20代の頃と異なって若さややる気だけではどうにもならないかもしれませんが、ビジネスマンや社会人としての素養があれば何とか転職できるでしょう。しかし40代でリストラをされた場合、多くの企業は即戦力となる人材か若く吸収力があって育てがいのある人材しか求めていないので、転職の門がぐっと狭くなるのです。40歳以上という年齢の時点でまずポテンシャル採用はありません。そうなると特定の分野における高度な専門スキルを有しているか、実績に裏打ちされたマネジメントスキルや企画力などを有しているような人材でないとなかなか高度な職には採用されづらくなってしまうのです。なお50歳以上でリストラをされる場合も条件は同じですが、40代と異なり50代以上であれば子供の養育を終えていたり家のローンも払い切る寸前だったりという場合が多いので、それほど大きなダメージにはなりません。しかし40代の人がリストラをされると転職がしづらい上に、これから子供の大学進学や住居のローン支払いなど人生でも最大級の支出に襲われてしまうのです。

優秀な人も油断できない

なお40代の方の中にも、自分はこれまで仕事で確かな実績を上げてきたのでリストラの心配はないと安心している方がいますが油断は禁物です。会社というのは過去の実績よりもこれからのポテンシャルを評価するので、若くないということはそれだけで大きなマイナス要素になります。また人事や直属の上司と相性が悪い場合、リストラ候補の選定の際に必ずしもフェアなジャッジをしてくれるとは限りません。